再掲:目立つ人を取り上げるだけなら、誰にでもできる。

もうそろそろ2年前になろうかという時期に、以下のようなブログを掲載しました。


過去のブログ記事:

目立つ人を取り上げるだけなら、誰にでもできる。2015/08/19


ここでの「怪物」とは清宮君のことですね。それと同じ現象が今また藤井聡太四段の話題で起きていて、メディアも人(読者や視聴者)も懲りないなぁ、という感じです。藤井四段は中学生なのに連勝していて新記録も樹立してすごい! というのは、彼自身とすべての棋士に対して本当に失礼です。

彼がすごいのは中学生であることではなくて「将棋がめっぽう強い」こと、それ以外にはないのです。中学生なのに、と頭につけて彼を賞賛し続けることはすなわち、将棋というのは本来年齢を重ねれば勝てるものだが若いうちは無理、という意味になり、しかし実際にはそんなことはひとつもないので(将棋に年齢は無関係なので)、やはりすべての棋士に対して失礼だと思います。おじいちゃんでも勝てない人はいるし、中学生でもめちゃめちゃ強い人もいる。ただそれだけのことです。

だからやっぱり、純粋に、単純に、藤井聡太さん(君)は新記録を樹立してすごいですね! で良いはずです。彼をひとりの人格のある人間として考えるならそう表現できるはずなのです。人を年齢という基準で推し量る社会は、性別や職業などで人を差別する社会であることを否定できません。この視点(思考)は広報でも非常に重要と考えています。しかし今回もこうして彼を消費して、消費して、消費し続けているところを見ていると、人間にラベルを貼る社会はこの先も続いていきそうです(個人的には、連勝が確定した時のあのカメラのフラッシュの異常な攻撃性には、才能に恵まれなかった大人たちの少年に対する異様な「嫉妬心」を感じずにはいられませんでしたが)…。